医療記録の分析を弁護士に丸投げしない 通常、証拠保全で入手した医療記録は、弁護士が独自に分析することが多いとされています。 しかし、弁護士も多くの場合、医学に関しては素人ですから、医療記録の分析、解読には限界があります。 そこで、弁護士は、さらに詳しく医療記録を分析してもらえる医師（「協力医」と呼びます）を探し、 その見解を求めます。しかし、多くの場合、協力医は臨床の現場で働く現役の医師であり、 業務に忙殺される日々を過ごしているため、医療記録の分析を喜んで引き受けない場合が多いことに加え、 仮に引き受けたとしても、日々忙しい診療の合間に行うことになるため、分析に時間がかかることが多いようです。 また、医師の間では、医師同士のかばい合いが あって、他の医師の診療行為の不適切性や医療事故を指摘するのを 嫌う傾向があることを知っておく必要があります。
つまり、協力医に分析を依頼し、見解を求め、協力医が診療行為の不適切性や医療事故を疑う記載を発見したとしても、 それを被害者、弁護士に話さず、曖昧な返答をする可能性もあるのです。 よほど信頼できる知り合いの医師でもいるのであれば話も別ですが、そうでない場合、 協力医に医療記録の丸投げをするのでは、思うような結果に至らない公算が大きいです。
また別の可能性として、私たちのように、弁護士が病院側に取り込まれている場合、弁護士は医療記録の分析を初めからせず、 「協力医」に丸投げするように見せかけて、相手側病院の医師の発言・見解を、「協力医の見解」と称して、 患者遺族に送りつけてくるというケースがあります（n＝1）。 これを見破ることができなければ、「協力医がそう言うのなら、医療事故はなかったのかな・・・」と だまされてしまいます。
このような事態に陥らないためにも、医療記録の分析は他人任せではなく、出来る限り患者遺族が独自に行うべきです。
医学という学問は決して難しくない 患者遺族は、多くの場合、医学の専門知識を持っていません。 そのため、入手した診療記録をつらつら眺めても、意味の分からない医学用語が羅列されていて途方に暮れてしまい、 「これは自分たちには無理だ」と諦めてしまう人が多いようです。 しかし、ここが正念場です。ここで諦めてしまえば、何事もなかったことにされてしまいます。 大切な人が医療事故で亡くなったのに、医師からは謝罪の一言もなく、今も何のお咎めもなく診療行為を続けているわけです。 それを絶対に許さないという強い気持ちが何よりも大切です。
皆さんは意外に思うかもしれませんが、医学というのは決して高度な学問ではありません。 医学部の偏差値は軒並み高いので、医学という学問も数学や理論物理のように高度だと思っている方も 多いのではないかと思いますが、医学というのは系統立った純粋な学問ではなく、 疾患に関する雑多な知識の寄せ集めであり、患者を救命・回復することを目的とした「実学」なのです。 従って、医療事故や診療行為の不適切性を指摘する目的であれば、患者のかかった疾患とその周辺について、 その疾患の概念と症状、検査法・所見、診断方法、治療法とその適応等について、インターネットで調べたり、 独自に医学書を購入して調べれば、それに関して一応の知識を身につけることはそう難しくはないのです。 その知識があれば、診療記録を読み込むことも可能となり、誰に頼んでも指摘してくれない、 隠された真実を発見できる可能性がぐんと高まります。
このサイトの記事の一覧
事件簿1：この未解決大事件が闇に埋もれている理由 事件簿2：事件の概要（医療事故隠蔽の殺人とその後の隠蔽工作） 事件簿3：病院内での経過・医師説明内容の主な問題点・論点 事件簿4：問題点1：PCI（冠動脈インターベンション）の大事故 事件簿5：問題点2：重度のショック・危篤状態に陥った原因について 事件簿6：問題点3：「心タンポナーデ」と「心嚢穿刺」に関する医師説明 事件簿7：問題点4：治療法がないと嘘をついて看取らせることと「説明不足」 事件簿8：問題点5：急性硬膜下血腫の原因について〜頭部打撲の説明なし 事件簿9：死体検案書捏造、本物の死亡診断書と死亡届は隠蔽 事件簿10：弁護士その1：こちらを一方的に非難・「証拠保全」は受任できない 事件簿11：弁護士その2：「証拠保全」受任・後に成りすましと判明 事件簿12：弁護士その3：こちらの話に聞く耳持たず・病院医師を擁護 事件簿13：国内メディア・報道機関への告発・情報提供は反応なし 事件簿14：弁護士その4：元検事弁護士・聞く耳持たず・病院医師を擁護 事件簿15：情報がリークする経路とそれらを防ぐ方法に関する考察 事件簿16：国内メディア・報道機関へのアポなし訪問は大失敗 事件簿17：特殊ツールを使用した国内・海外メディアへの告発も全て反応なし 事件簿18：海外メディアへの告発・情報提供は全て反応なし 事件簿19：事件告発活動・無念の断念・号泣 事件簿20：フェリーチェ・プライムマリッジ婚活妨害事件 事件簿21：告発サイト立ち上げを決意した理由 事件簿22：事件の内容・これまでの活動の振り返り 事件簿23：訪問して下さった皆様への呼びかけ・お願い
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